予想外だった。一台のノートパソコンが入ったトートバッグ片手に、静かに困惑する。執筆作業をするために向かった行きつけのカフェが、この日は満席だったのだ。

「どうしよう」

そこで、はっとする。そういえば、この間読んだ記事のなかに面白いサービスを紹介しているものがあった。カフェやオフィスなど、利用者の空いている席をスマホから予約できるアプリがあると。急いでアプリストアの画面を開き、サービス名を検索する。

そう、「Seatify」だ。

株式会社Ciao Technologiesが手がけるアプリ「Seatify」は、外出先でデスクワークを必要とするフリーランス・リモートワーカーを対象とした空席予約サービスだ。

すでに施設に滞在している利用者(ホスト)が、自分の隣または目の前の席を相席として提供することで、他のユーザーは事前にスマホから席を予約することができる仕組みになっている。

アプリ登録者であれば、誰でもホストになることが可能。空席を提供できる施設には、以下のようなものがある。

【有償で提供することができる施設】

  • リストに登録済みの店舗内
  • ユーザーが所有している施設内(家、オフィスなど)

【無償で提供することができる施設】

  • カフェ、レストラン、コワーキングスペース
  • 図書館、大学などの公的施設

個人の家やオフィス内で余っているスペースがあるものの、Airbnbやコワーキングスペースとして貸し出すほどの広さはなく、有効活用の道を閉ざされていた者にとって「Seatify」はうってつけではないだろうか。

カフェやレストランで、複数人が使えるテーブルを自分一人だけで占領してしまった場合にも、同アプリは役に立ちそうだ。

さらにスマートなのは、席の予約者がホストの登録している「レンタル品」を借りることができるという点。例としてPCやスマホの充電器、筆記用具などが挙げられる。荷物が増えやすいノマドワーカーにとっては、魅力的なポイントだろう。

相席をきっかけに、ビジネスやプライベートの繋がりも増える。新しい人、場所との出会いが仕事のアイデアに結びつくこともあるかもしれない。

空席を求めて周辺のカフェを探し回る、私たち“シート難民”の救世主「Seatify」。7月のリリース日が、待ち遠しい。