子供がいるとついつい荷物が多くなる。出先でジュースを買う手間を省くために、500mlのペットボトルや水筒を持参することも多いが、結構億劫だ。

締めが甘いフタに結露した容器。飲み物を持ち歩くと、鞄のなかが水浸しになるリスクがある。鞄が重くなるのは500gちょっとだとしても、気持ちはその倍くらい重くなる。

小さくも“重たい”悩みを抱えている人には朗報だ。ペプシコーラで知られる清涼飲料メーカー、ペプシコが、液体いらずで飲み物を持ち歩ける「Drinkfinity(ドリンクフィニティ)」を開発したのだ。

蓋をワンプッシュ、ただの水がおいしく大変身

Drinkfinityは20オンス(約566ml)の容器、12種類のフレーバーのセットから成る。フタ部分に好みのフレーバーのカプセルを押し込むと、容器内の水が好みの味に変化する。

持ち運ぶのは容器とカプセルのみ。水は出先で補給すれば良いので、手軽に好きな飲み物と一緒に出かけられる。

炭酸飲料の伸び悩む今、消費者の嗜好に合わせて進化する

一見単なるオシャレで便利なプロダクトだ。しかしその裏には、思いがけない老舗メーカーの決断が隠されている。

この事業のためにペプシコはこれまで100年間積み上げたやり方を一新し、伸び悩む炭酸飲料業界の先導を切る形でこのDrinkfinityを子会社として立ち上げた。

企業のエシカルな姿勢に共感し、ミニマルな製品を求める消費者の増加を受け、再利用可能な容器を採用、液体レスで軽く持ち運べる利便性を重視した

休息時や気合いを入れる時など、味のイメージと気分について大々的なリサーチも実施。ひきつづき今時の消費者が求める飲料を追求していくという。またデジタルネイティブ世代に届けるため、ECサイトを中心にマーケティングを展開している

おしゃれで便利なプロダクトの背景には、老舗飲料メーカーの新しい挑戦があった。Drinkfinityは現在アメリカのみで展開中だが、今後日本への参入に期待が高まる。