旅に出たい。どこか異国、言葉も通じない場所へ行ってみたい。

……とは言え、美味しいものや、いい雰囲気の宿の情報は押さえておきたい。素敵な雑貨屋さんもあると下調べしておけるといい。そうなると、既に観光地として日本語や英語でも情報発信されている場所に絞られてしまう。

本当はもっと、だれも知らないような場所を見つけたい。

もしかするとそれは、日本への旅行を考える外国の方も同じ気持ちかもしれない。みんなが知っているような名所だけではなく、少し足を延ばしてでも、観光パンフレットには載っていないような場所を探しているかもしれない。

2020年の東京オリンピック開催まで、あと2年。それに合わせ、来日を検討する外国の方も多いだろう。海外需要を拡大しようと、グローバルマーケティングに力を入れる日本企業も多い。

そんな観光客との最初の接点となるのはWEBサイトのことが多いが、なかなか多言語対応が進んでいないのが現状だ。

ウェブサイトの多言語対応を支援する

WIPジャパンが2018年3月に発表した「上場企業WEB多言語対応調査」によると、国内の上場企業225社の公式サイトのうち、ほぼ100%が外国語への対応を行っている一方で、多言語に対応しているサイトは20%程度にとどまっている。

特に、規模の小さい企業や個人が運用するウェブサイトの多くは、多言語対応化が十分に進んでいない。観光客の方が英語や中国語などの母国語を用いて検索した際、探したい情報が表示されないのが実情だ。

WEBマーケティングツール「ferret One(フェレット ワン)」とウェブサイト多言語化ツール「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」が、多言語対応機能の連携を開始した。企業が抱える多言語化対応という課題に、光が差すかもしれない。

制作にかかる費用と時間を大幅に削減

株式会社ベーシックが運営する「ferret One」は、WEBサイト制作・SEO対策・ランディングページ制作・メール配信など、ホームページへの集客に必要なすべての機能が揃っているWEBマーケティングの支援ツールだ。

近年、「ferret One」導入企業から「自社のウェブサイトやランディングページを多言語対応したい」という要望が増加したことから、WEBサイトを多言語化する開発ツール「WOVN.io」との連携を決めた。

「WOVN.io」は、株式会社ミニマル・テクノロジーズが運営するウェブサイト多言語化ツールだ。URLを登録するだけで、瞬時に希望する言語に翻訳される。機械翻訳(Google翻訳)の場合は無料、プロの翻訳を利用する場合は1文字5円で依頼することができる。

この連携によって、日本語で構成されたWEBサイトをボタンひとつでほかの言語に対応させることができる。対応言語は30カ国語。WEBサイトに訪れた人は、サイトに追加されるウィジェットを用いて言語を切り替え、閲覧する。

WEBサイトを多言語化する場合、通常は数ヶ月にも及ぶ開発期間と数十万円単位の初期費用がかかる。だが、WOVN.ioから発行されるトークンをferret One管理画面内に設置することで、開発期間と費用を最小限に抑えることができる。

翻訳に自動翻訳機能(Google翻訳)を活用することも、期間を短縮できる要因になっている。翻訳後に部分編集もでき、利用料をプラスすればプロの翻訳家に依頼が可能だ。

翻訳された外国語のテキストコンテンツがHTMLにも反映されるため、外国語で検索された際にもヒットするようになる。

今回の連携により、グローバルマーケティング展開のボトルネックになっていた「多言語化対応」という課題がクリアになる。優れたサービスが連携することで、業界が一段階も、二段階も、前に進む。そんなわくわくする展開が巻き起こっていくことが楽しみだ。