娘には(本人が望めば)何か音楽に触れさせたいと考えていた。

ヴァーチャルシンガーである初音ミクが誕生して10年以上が経過し、端末さえあれば誰でも電子音楽を作成できる今、楽器が弾けなくとも音楽制作する人も珍しくない。楽器がなくとも音楽をつくれる時代だから、鍵盤を叩いたり、弦を弾いたりするだけでなく、音のパーツを組み立てる感覚も学ばせたいな、と思うようになった。

そこで、音やコードを組み立てることができるミュージックブロックキット「Soundbops(サウンドボップス)」の存在を知り、強く興味を惹かれた。

音のパーツを組み立てて音楽にする

Soundbopsは音階を表す最大24種類のbopと呼ばれるブロックと、7行2列のボードで構成されたシンプルな作りのブロックキット。

ボードには、スピーカーが搭載され、音量も調節可能だ。またピアノやギター、ドラムなど様々な楽器の音に変換できるツマミもついている。また、BluetoothでiPhoneやiPadなどの端末につなげ、「Garage Band(ガレージ・バンド)」などのDAWアプリとも連携可能だという。

bopは音ごとにカラーが異なり、基本の7音階(ドレミファソラシ)の7色で表され、半音は隣り合う音のカラーを半分ずつ合わせたものになっている。また、bopの形は音の高低を表し、丸は高い音、四角は低い音に対応する。bopを重ね合わせれば、和音が出る仕組みだ。こうした細やかな工夫によって、子供たちは聴覚だけでなく視覚や触覚も使って音を捉えることができる。

このSoundbopsは先月末までのクラウドファウンディングで、目標を大きく上回る72万ドル(約770万円)を調達し、今年12月には出資者の元へ届く予定だという。日本への進出はまだ不明だが、販売されるならぜひ手に入れたい。

新しい時代の音楽は新しいツールからはじまる。Soundbopsを手にした子供たちがどんな音楽を作るのか、今から待ち遠しい。