三井不動産レジデンシャルのCSV活動の一環としてスタートした「U26」プロジェクト。26歳以下の世代が、マンションにおいて将来の日本の社会課題を解決するソリューションとなるコミュニティをつくりだしていくことを目的に活動しています。

今年度のU26メンバーが挑むのは、「単身世帯とコミュニティの未来」。今回、舞台となるのは、三井不動産レジデンシャルが展開する都心型小世帯向け分譲マンション『Park LUXE』シリーズです。

U26メンバーは同マンションにコミュニティを生み出すべく、マンション居住者イベントを企画・実施していきます。2018年1月21、24日は、いよいよイベント本番。

居住者の方に向け、メンバーは3班に分かれ約半年間かけて作り上げてきたイベントを実施しました。今回はその様子をご紹介しつつ、チームごとの振り返りをお伝えします。

共通項をうまく生かしたプログラムが効いた「ぜいたくスムージー作り」

1月21日午前、はじめに開催されたのは「ぜいたくスムージー作り」です。当日は12名の方が参加しました。スムージー班のプログラムは以下の通り。

はじめに、朝ごはんをテーマにしたアイスブレイクを実施。場が温まったところで講師を務めるローフードマイスターの田沼弥希さんをご紹介し、デスクからキッチンへと移動します。

キッチンでは、実際に3種類のスムージー作りを体験。体験のプロセスでは、田沼さんから食材の説明やこだわるポイント、作り方のコツなどが紹介され、作り方を学びつつ知識も身につけられるというものでした。

イベント中は、参加者同士も積極的にコミュニケーションをとっており、スムージーをともに作るチーム内での会話が盛り上がる場面も。盛り上がっているために、なかなか計画通りに進行できない場面もありましたが、最後はなんとか時間内に納めることができました。

U26メンバーとしては、どんな手応えだったのでしょうか。スムージー班は、参加者同士が同じマンションに住んでいるという共通項を活かし、年代や性別に関係なくコミュニケーションが生まれる工夫を検討。それが功を奏したといいます。

「近所の八百屋で仕入れた食材をきっかけに普段の買い物に関する話をしたり、健康や食に関心のある人同士で共同作業をしたりしたことで、狙い通り場の一体感や共通の話題が生まれました」

一方で、反省点もありました。スムージー班で課題を感じたのは、アイスブレイクの場面。今回のアイスブレイクでは「昨日の朝食を絵に描く」というものでしたが、普段あまり朝食を食べておらず、描く絵がないという方も居たといいます。

「ターゲットの食生活に対する調査や想像力の不足を感じました。忙しい日々で朝食を取られない参加者も多く、会話に戸惑われた方もいらっしゃいました。普段の朝食や食生活を見直すきっかけになるようなコンテンツにするなど、1人でも多くの参加者の方が会話に加われるアイスブレイクに改善したいです」

オリジナルのツールが活躍した「オトナスクール バルコニーライフを愉しむ」

スムージに続き、午後に開催されたのは「オトナスクール バルコニーライフを愉しむ」です。こちらは5名の方が参加しました。バルコニー班のプログラムは以下の通り。

はじめに、自己紹介シートを用いたアイスブレイクを実施。その後講師となる三井デザインテックの佐伯隆子さんをご紹介し、セミナーに入ります。

セミナーでは空間作りにおける基本的な考え方から、インテリアのコンセプトの作り方、具体的な家具選びのトーン&マナーまで、順番に説明が行われました。

セミナーを受けた上で、会場内に展示されたバルコニーで活用できる家具類を見学。必要な知識と具体的な家具のイメージを持って、理想のバルコニーを考えるワークへ入ります。

ワークでは各戸の平面図が配布。それをもとに、参加者が思い思いのバルコニーを作り上げていきます。最後は作ったバルコニーのアイデアをグループ内で共有するというものでした。

バルコニー班は参加人数が多くない分、講師やファシリテーターとして参加しているU26メンバーが手厚くサポート。細かな質問はもちろん、ワークの際に悩んでいる様子の参加者に声をかけ、問題を解決して上げる場面もありました。

バルコニー班は、ワークの設計やツールには手応えを感じたようです。

「ワークにおいて、自分のつくったバルコニーを発表し、他の参加者が感想を言う時間を設けたことで、会話が生まれるよいきっかけになったと思います。またバルコニーのアイデアをカード形式にしたことで、イメージをお互いに伝えやすく話が弾むきっかけにもなりました」

一方、改善点で挙がってきたのは、こちらもスムージー班と同様にアイスブレイクでした。バルコニー班の場合、想定していたアイスブレイククイズを取りやめたことも影響していたようです。

「本来はアイスブレイクに自己紹介とクイズを行う予定でしたが、諸事情あってグループで検討するクイズを行わないことに。その結果、うまく参加者の緊張をほぐしきれませんでした。グループファシリテーターが自己紹介の内容を元にさらに質問するなど、対話を生むきっかけを作るなどその場で工夫できたのでは、と思っています」

平日夜にも関わらず、最多の23名が参加した「日本酒嗜み講座」

スムージー、バルコニーのイベントが開催された3日後。24日には「日本酒嗜み講座」が開催されました。今回は平日の夜にもかかわらず、3つのイベントの中では最多の23名の方が参加しました。日本酒班のプログラムは以下の通り。

はじめに日本酒を配布し、乾杯。お酒が入り、少し場の空気がほぐれてから、出身の都道府県が描かれた名札を使ったアイスブレイクを行います。その後は、唎酒師の圓子千春さんが講師として登壇。日本酒の生産量から、つくり方、種類、米の磨き具合まで、幅広い日本酒の知識を学んでいきます。

セミナーが終わると、4種類のお酒が各々の手元に用意され、一番高いお酒を当てるクイズ。正解を発表したあとは、お酒を自由に飲みながら圓子さんセレクトの日本酒に合うおつまみを楽しむ、懇親会という流れでした。

今回は、はじめに日本酒を飲んでもらうことで緊張がほぐれたのか、終始和やかなムード。友人を連れてこられている方も多く、比較的会話が多い印象でした。また、講師として登壇された圓子さんの話も興味深く聞いている人が多く、参加者からは「勉強になった」という声も。

日本酒班に振り返りを聞くと、各テーブルにファシリテーターとして参加したU26メンバーの活躍が大きかったと振り返ります。

「ファシリテーターの配置はうまくいきました。お一人でお越しになった方も、年齢の高い方も、 ファシリテーターと積極的にコミュニケーションをとっている姿が見られました。都道府県が描かれた名札も会話のきっかけになるシーンが見られたので、狙い通りでよかったです」

続けて反省点を聞いてみると、幅広い年代の方が参加されたゆえの課題を感じていました。

「今回、若い方から60代の方まで幅広い年齢層に参加いただきましたが、世代に差があるとなかなかコミュニケーションが生まれない場面も見られました。 世代を超えたコミュニケーションを生むため、さらなる工夫を考えていければと思います」

教訓を活かし、さらなるブラッシュアップへ

半年間苦労を重ね練り上げてきたイベントを無事に終えたU26メンバー。それぞれに思うところはあると思いますが、とりあえずは無事に開催できました。狙い通りの反応を得られた点はもちろん、想像以上の集客や、イベント会場での盛り上がりなど、期待を上回る成果に繋がった部分もあったでしょう。

一方、入念にくみ上げてきたイベントでも、実際に開催してみると今まで見えていなかった課題も見えてきます。実際どの班からも「想像以上に参加者同士のコミュニケーションを生むのが難しかった」というコメントも聞かれました。

ただ、U26メンバーの活動はこれでおしまいではありません。今回はまだイベントの1つ目のマンション。今後振り返り・ブラッシュアップを挟み、2つ目のマンションのイベントへと臨みます。今回のイベントから得られた教訓は数多くはるはず。その教訓をどのように次へ活かしていくのか。

今後も乞うご期待ください。