(音楽ビジネス誌『gig』より転載)
ティーンに支持されるリップシンクアプリ「Tik Tok」を運営するBytedanceが、昨年11月に競合サービス「musical.ly」を買収したことは記憶に新しい。
musical.lyは買収完了後に自社サービスを利用するクリエイター支援のためのクリエイター・ファンドを設立していたが、遂にTik Tokとmusical.lyの統合が発表された。統合は今後数ヶ月かけて行われ、両サービスの特色と強みを集約し、より魅力的なサービス提供を目指すという。
加えて、Tik Tokはワーナーミュージック・グループ及び楽著作権管理団体「JASRAC」とコンテンツに関するパートナーシップを結んだことを発表した。
musical.lyはアプリリリース当時は音楽著作権を保有するレーベルに許可を得ずに楽曲を使用していたが、2017年4月にApple Musicと提携を発表。ユーザーはApple Musicで配信されている楽曲ならば動画に使用できるようになった。
同じく日本でも音楽著作権上の問題を解消するために、Tik Tokは今回の提携を行ったと考えられる。
Bytedanceのシニア・バイスプレジデントであるZhen Liu氏は「日本での長期的な成長を目指し、今後日本の音楽レーベル、テレビ局や芸能事務所、出版社など様々な企業と積極的にコンテンツ提携をして参る所存です。」とコメントしている。
Tik Tokの他に動画アプリTop Buzz Video等を日本市場で展開するBytedanceは、日本市場に注力するために日本支社を300人を超える規模まで拡大する計画だという。
2018年に入り、ティーン以外の世代にも注目されつつあるリップシンクアプリだが、その市場規模はどこまで広がるのか。異なるユーザーを抱える両者の統合はうまくいくのか、今後の展開に期待がかかる。
(音楽ビジネス誌『gig』より転載)