カフェに行って、冷たいコーヒーを買う。カップにはプラスチック製のストローがついてくるだろう。コーヒーを飲み終えれば、カップと一緒にストローは捨てられる。

ストローのような小さいプラスチックごみは、多くの場合リサイクルされることはない。だが、プラスチックは生物によって分解されることなく、そのままの姿で、あるいは粉々に砕けマイクロプラスチックになって自然界に取り残される。このことが原因で、プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題になっている。

そんな世界的な環境問題の解決に向け、動き出す企業が現れた。NYのスタートアップ企業「LOLIWARE(ロリウェア)」が、”食べられるストロー”「LOLISTRAW(ロリストロー)」を開発した。

”食べられるストロー”LOLISTRAWとは?

LOLISTRAWは、成分のほとんどが海藻で構成されている。そのため、製造過程でのCO2の排出も削減でき、もし食べなくても燃えるゴミとして捨てられる。もちろん、食べてもいい。

同社は、見かけや使い心地は従来のプラスチックストローを踏襲しつつも、色やフレーバーを選べるようにすることで、使い終わった後に美味しく食べられるような工夫を施す。また、ストローには様々な栄養素を盛り込むという。

耐久性も、プラスチック製ストローに負けていない。実験の結果、飲み物の中では24時間、棚に入れて保存すれば2年間保存可能だ。

プラスチックによる海洋汚染はなぜ問題なのか

そもそも自然界にプラスチックが排出されると、どのような問題があるのだろうか。

「世界的な海洋汚染」と言われると、スケールが大きすぎてどのような課題なのか想像できなくなってしまう。だが、この問題は案外身近なものだ。捨てられたプラスチックは時間をかけ、粉々に粉砕されていく。様々な経路を経て、最後は海にたどり着く。

ミリスケールの大きさになったプラスチックは容易に生物の体内に取り込まれる。どんなに小さくともプラスチックが体内で分解されることはないため、そのまま残ってしまう。

また、プラスチック粒子はその表層に有機有害物質を吸着しやすく、さらに、表面で有機有害物質を濃縮することが知られている。この有機有害物質は、長期間にわたり暴露された場合、人を含む生物の生殖器の異常や奇形の発生、免疫や神経への影響などの悪影響をもたらす可能性があると指摘されている

有害物質を吸着したプラスチックを食べた魚を、私たちが口にしたらどうなるだろう。自分の恋人が、友人が、子供が、そんな有害なものを口にしているとしたら?

地球の未来のため、なんて大仰なことは置いておいて、自分のため、大切な人のため、まずはストローから変えてみてはどうだろうか。

LOLISTRAWは現在クラウドファンディングプラットフォーム「Kickstarter(キックスターター)」で支援を呼び掛けている。支援は10ドル(約1100円)から可能で、返礼品の配送は2018年8月を予定している。