“丁寧な暮らし”が見直される昨今。家具は自分で好きなものをDIYし、食器や陶器も大量生産のものを選ばない。自分が口にする野菜や果物などを、一から自分の手で育てるガーデニングの趣味が選ばれる機会も増えてきたのではないだろうか。

2017年12月、Amazonがユーザーのガーデニング作業をサポートする 「Garden Service(ガーデン サービス)」に関する特許を2017年10月に申請したことが明らかになった。

特許の内容は、画像認識技術を用いて庭にどのような植物が生えているのか、どんな作物を育てているのかを認識できるようになるというもの。

この画像認識技術に加えて位置情報を取得することで、ユーザーがガーデニングの写真を撮影しアップロードすると、現在育てている作物を使った料理レシピの提案や必要になるガーデニング用品をレコメンドしてくれるという。

例えば、あなたが自宅の庭でハーブやトマト、きゅうりを育てていたとする。その様子を写真に収め、Garden ServiceにアップロードするとAmazonがそれらの野菜を使って作るギリシャサラダのレシピを教えてくれるのだ。

さらに、そのサラダをより美味しく食べるためにフェタチーズやオリーブオイルを追加で購入することも進めてくれるそう。もちろん、Amazonから直接購入することができる。

Garden Serviceが提案するのは料理レシピだけではない。ガーデンの様式や土地柄に合わせて、どんな野菜や果物を育てるべきかを教えてくれるという。ユーザーが、“Virtual Garden”(バーチャル ガーデン)という名の仮想的な庭を四季ごとに見れる仕組みだ。

今回の特許取得の背景には、同社が昨年から生鮮食品事業に本格的に力を入れ始めたことが大きく関わっていると思われる。

2017年8月に食料品スーパーマーケットのWhole Foods(ホール フーズ)を買収したことや、同年の11月には生鮮食品サービス「Amazon Fresh(アマゾン フレッシュ)」が複数のレシピサイトと提携を結んだことなど、生鮮食品事業にかける期待の延長線上にGarden Serviceの着想があるのではないだろうか。

現時点では、今回の特許取得により、どのような形でいつサービスの提供が始まるかの詳細は明らかになっていない。リリース後、ユーザからどのような反応が得られるのか。今年もAmazonの動きから目が離せない年になりそうだ。