仕事を持つお母さん・お父さんの中で、「今日のお迎え、どうしよう?」と悩んだことがある人は多いのではないだろうか。私も一歳児の娘を持つ新米親ながら、どうしてもお迎えに行けない、という状況を幾度か経験した。その度に各所に電話し、親戚にお願いしたり、時には有料の託児サービスを駆使したりして、その危機を乗り越えてきた。

車社会のアメリカ郊外で同様の悩みを抱えた3人のお母さん達が、お迎え問題を打開すべく、あるサービスを提案した。「HopSkipDrive(ホップ・スキップ・ドライブ)」が提供するUber(ウーバー)型子供送迎サービスだ。

自動車配車プラットフォームUberは、アプリ上に登録しているドライバーと乗客として利用したいユーザーのマッチングを行い、自動車を手配してくれるライドシェアリングサービス。Uberの人気の秘訣は、スマートフォンアプリを介して、その場で車を手配できるという手軽さにある。

スマートフォンなどの携帯端末で気軽にお迎えを頼むことができれば、とても便利だ。HopSkipDriveはUberの配車体験を子どもの送り迎え専用にカスタマイズし、サービスを提供している。

子供の送迎で一番気になるのは、信頼と安全性だ。HopSkipDriveではUberの便利さをそのままに、子供の安全を保証するための様々なルールを定めている。

15項目でドライバーを審査

HopSkipDriveでは、CareDrivers(ケア・ドライバーズ)と呼ばれる送迎ドライバーを採用する際、5年以上の育児経験や、年齢制限、犯罪歴がないこと、安全な運転記録と技術の保持などの15項目の安全認証を行っている。

保護者は、あらかじめドライバーの経歴や写真を閲覧でき、希望すれば面談も可能だ。

車の乗り間違い防止や追跡機能も

ドライバーと子供の間で秘密のパスワードを共有し、乗り間違えを防止する。保護者は、送迎中に子供たちの居場所をGPSで追跡・監視することができる。

値段も手ごろで一家族16ドル(約1700円)、相乗りの場合は7ドル(約800円)から利用できる。

HopSkipDriveの活動は多くの人々の支持を受け、これまでに2100万ドル(約23億円)を調達している。既にアメリカのロサンゼルス、オレンジカウンティ、ベイエリアで、実用化されており、2,500以上の学校や、200以上の私立・公立・チャータースクール・非営利団体と提携済みだ。

日本では法律上の問題から、金銭の授受を伴う一般人同士のライドシェアリングの実用化は難しい。だが、シェアリングエコノミーを子育てという分野で活用できれば、子育ての課題を解決できる可能性を秘めているだろう。