【2018年3月7日追記】
3月7日、Osushiがサービスを再開した。リニューアル後は、“投げ銭“を受け取ったクリエイターが金銭をそのまま受け取るのではなく、「商品と交換できる」仕組みに変更した。商品として「生うに 200g」や「きゅうり醤油漬け 2袋」などが登録されている。

リリース当初、クリエイターが受け取った金銭をそのまま出金できる仕組みであったため、「Osushiは個人間送金サービスに該当するのではないか」という指摘があった。個人間送金サービスを提供する場合は、資金移動業者として登録する必要があり、サービス提供者はユーザーの本人確認をする必要があった。だが、Osushiにはそのような機能が実装されていなかった。

金融庁とのやり取りについて、Osushiを運営するウォンタは「2月後半に金融庁の担当者と正式に打ち合わせを行い、特段の問題がないと返答をいただいている」と、『ITmedia』の取材に答えている

【2018年2月2日追記】
2月1日にウォンタ株式会社は「Osushi」を正式公開したが、公開7時間後にサービスを一時休止している。個人間送金を行うためには資金移動業者として登録をし、サービス提供者はユーザーの本人確認をする必要がある。しかし、Osushiは本人確認をせずに送金を行うことができる。現時点ではOsushiがどのようなスキームでサービスを提供しているのかは不明だ。続報があり次第、記事をアップデートする。

路上ライブや大道芸などを見たことがある人は、その足元に置いてある空のギターケースや裏返された帽子にお金を入れた経験が、一度や二度はあるのではないだろうか。

パフォーマンスに感動したひとが、気持ちの分だけお金を入れる。お金を払うことは義務ではないので、無料でパフォーマンスを鑑賞することも可能。そこに決まった料金システムは存在しない。これが、いわゆる「投げ銭」というものだ。

ここ数年で、投げ銭のスタイルがインターネットにも普及し始めた。頑張っている人を応援する新しい形として「投げ銭サービス」なるものが次々と誕生している。有料コンテンツを販売できる投稿サービス「note」のサポート機能や、ライブストリーミング「SHOWROOM」などがその例だ。

今回紹介する「Osushi」も、投げ銭サービスの一つ。公式サイトに大きく書かれている“頑張った分だけお寿司をもらおう”というコピーが印象的だ。

同サービスに登録した者には「お寿司リンク」が発行され、それをブログやSNSなどに貼り付けることができる。リンクを貼っている人のパフォーマンスに感動したオーディエンスは、本人に対してメッセージや1貫100円のお寿司を送れるという仕組みだ。一度に送れるお寿司の数は最大10貫まで。

「お寿司」とは、本物のお寿司のことではなく、お金のメタファーとして機能している。「お寿司」と表現することで、オーディエンスの投げ銭へのハードルを下げることが狙いだろう。

お寿司を購入するときには金額の10%の手数料がかかる。受け取ったお寿司の口座振込を申請する際には200円の手数料を支払う必要がある。現段階での決済方法は、決済サービスStripeによるクレジットカード決済・ビットコインでの送金のみだが、順次拡大予定だという。

「Osushi」の正式リリースは1月下旬になる見込みだが、1月10日から事前登録の受付を開始している。

路上ライブや大道芸のパフォーマーに対する投げ銭スタイルは海外でも一般的だが、頑張っている人に対して“お寿司”をあげるという発想はいかにも日本らしい。

パフォーマーとの関係の浅さ深さに関わらず「頑張っているからご褒美を」「感動をくれたからお礼を」という思いやりの文化が、日本で新たな一歩を踏み出しそうだ。