Nextdoorより引用

2017年12月、米・サンフランシスコに拠点を構える「Nextdoor(ネクストドア)」が新たに約7,500万ドルの資金調達を実施した。今回の資金調達により、同社の評価額は約15億ドルになった。

Nextdoorは、プライベートソーシャルネットワーク「Nextdoor」を運営しているスタートアップだ。日本では同じようなサービスとして、ご近所SNS「マチマチ」が挙げられる。

Nextdoorは、近隣同士の繋がりが最も重要であり有用なコミュニティの一つであると考えている。同社のミッションは、「Nextdoor」を通じて世界各国に強力かつ安全な地域コミュニティをつくることだ。

Nextdoorを利用する際、住民は身元と住所の登録が必要となる。登録後は、自分は住んでいる地域のコミュニティネットワークに参加できる。地域コミュニティネットワークでは、利用者が自由に投稿したり、投稿に対して返信したりすることが可能となっている。利用者がコミュニティ内で投稿する内容は様々だ。

ローカル広告配信を開始した「Nextdoor」

例えば、利用者は地元で新しくオープンしたレストランやおすすめの病院、近所であった犯罪などの情報をコミュニティ内に投稿している。こうした情報は、マスメディアで報道されることはほとんどないだろう。

加えて、メールアドレスや住所を公開しなくても、利用者同士で直接やり取りすることもできるようになっている。多くの人が閲覧するオープンな場所ではしづらい質問も可能だ。

今年4月には、企業向けに対してローカル広告配信を開始した

NextdoorはTechCrunchの取材に対して、北米以外への展開する意思を語っている。同社はマネタイズを図りつつも事業をグローバルに拡大すべく、今回の資金調達に至ったのだろう。

現代において、十数年前まで見られた地域住民同士での交流や地域コミュニティがなくなりつつある。しかしながら、その地域で住む人や新しく引っ越してきた人にとって、地元の情報やコミュニティは未だに重要な役割をもつ。

そんなオフラインで失われつつある有用な地域コミュニティを、「Nextdoor」は復活させようとしているのだ。