時短勤務、副業、リモートワーク。働き方が多様化している現代において、SlackやSkypeなど直接会わずともコミュニケーションをとることができるようなツールが、今後ますます人気を博していくことが予測される。
ノルウェーの電話会社Telenorがリリースしたビデオチャットツール「appear.in(アピアーイン)」もそのようなコミュニケーションツールの一種だ。
しかし、Skypeやハングアウトなど、従来のビデオチャットツールとは大きく違う点が一つある。appear.inはアカウント登録せずに利用することができる。
appear.inの特徴
appear.inの最大の特徴は、「登録/ダウンロード不要かつ無料」で利用できるという点だろう。
ビデオチャットツールとして一般的に知られているであろうSkypeやハングアウトはどちらもIDとパスワードの登録が必須となっている。故に、相手がスカイプIDやハングアウトIDを所持していない場合、テレビ通話を行うまでに時間がかかってしまう。
しかし、appear.inはユーザー登録をしなくても利用できる。appear.inはルームと呼ばれるビデオチャット用のURLを作成、それをチャットしたい相手に送るだけで、最大8人とビデオチャットをすることができるのだ。
appear.inの使い方
appear.inのHPは英語で書かれており、一見難しそうに見えるが使い方はいたって簡単だ。まず、appear.inを開くと、右にURLを入力できる枠がある。
そこに適当な文字列を入力し、「Create new room」をクリックすれば、ビデオチャット用のルームができる。 あとは、そのルームのURLをチャットしたい相手に送信するだけ。相手がリンクをクリックしたら自動的にルームへと接続され、ビデオチャットが可能となる。
知っておきたい基本機能
appear.inを利用する上で知っておくと便利な機能をいくつか紹介する。
1.Invite
他の人を招待する機能。このURLをコピーし、メンバーにLINEやメッセンジャーで共有することでルームに招待することができる。
2.Cam・Mic
カメラおよびマイクのオン・オフを切り替えるための機能。映像が不要な時はこのボタンを押すことで、マイクのみに切り替えられる。
3.Lock
ルームにロックをかける機能。参加するメンバーが揃い、他の人が入らないようルームをプライベート設定にしたい時に用いられる。
4.Claim
ルームの作成者が他メンバーを、ルームから強制退室することができる機能。
5.Leave
ルームから退出する機能。会議が終わる時や何かしらの用事があり、ルームから退出したい時に用いられる。
6.チャット機能
チャットボックス機能。ビデオチャットをしながら、URLや画像、ファイル等を送信することができる。
7.画面共有
自分の画面をメンバーに共有できる。自分が持っているファイルを送信することなくメンバーに見せたい時や、皆で一つの資料をみたい時などにオススメの機能。ただし、使用するには事前にChrome拡張機能をインストールしておく必要がある。
appear.inのクオリティ
ノルウェーの電話会社Telenorが開発したこともあり、appear.inは高音質で画質もきれいである。海外ユーザーとの通話もタイムラグがほぼなく、また、自分が見せたい画面だけを他のメンバーに共有できるなど、登録不要にもかかわらず、その性能は非常に高い。
カメラやマイクの不具合など…appear.inのよくある質問
初めてappear.inを利用する際に、もしカメラやマイクに関する不具合が生じたならばChromeの設定を見直してほしい。
Chromeの設定を変更するには、【Chromeの設定】>【詳細設定を表示】>【プライバシー】を選ぶ。そこで表示された【コンテンツの設定】から、appear.inでの利用を許可すれば、カメラ/マイク共に利用することができる。
他にも、よくある質問は公式HPのFAQに掲載されているので、利用してみて不具合があれば参考にするとよい。
appear.inのアプリについて
出先で急にビデオ通話するような事態に陥っても問題ない。appear.inはiOSとAndoroidの両方でアプリがリリースされている。そのため、スマートフォンを持っていれば、どこでも利用することが可能だ。むろん、アプリで利用する場合でもアカウント登録をする必要はない。
上級者向け・appear.inの裏技
appear.inは他ツールと連携することで、その利便性はさらに高まる。今回は、コミュニケーションツールslackとオープンソースのブログソフトウェアWordPressとの連携方法について紹介する。
Slackとの連携
appear.inはSlackと連携することが可能。
まず、入力コマンドに「/appear」と入力する。
すると、「To use this command you need to add the appear.in Integration.」と表記が表示される。このリンクをクリックし、その次に表示される「Save integration.」を押すことで統合が終了する。
あとは、入力コマンドにスラッシュを打ち込むだけで、自動的に「/appear」が表示され、入力すると自動的にビデオチャットが開始される。Slackで連絡を取り合っている相手とすぐに連絡がしたい時に、非常に役に立つであろう機能だ。
WordPressと連携できるプラグイン「appear.in WP」
「appear.in WP」は、自分の appear.in のルームをショートコードを使って好きな場所に表示することができる。
導入方法は、「appear.in WP」のプラグインをインストールし、プラグインを有効化するだけ。あとは、ダッシュボードから「設定」メニューの「メディア設定」画面にあるappear.inの設定画面の「Republic Room name」に自分のルーム名を入力し、ショートコード[appear_in]を表示させたい場所に貼り付けることで利用できる。
一人で複数のアカウントを持つ時代だからこそ
一人で複数のアカウントを持つことが当たり前になってきている現代。多くの人は、自分が設定したIDやパスワードを忘れてしまい、パスワードの再設定を行ったり、アカウントを作り直した経験があるだろう。
そんな時代だからこそ、アカウント登録不要のビデオチャットツール「appear.in」は重宝されていくのではないだろうか。
「appear.in」を開発しているチームのワークスタイルはこちら。
https://amp.review/2017/10/24/appearin/