SHIBAURA HOUSE」は2017年春から、学びのプラットフォーム「nl/minato(エヌ・エル・ミナト)」をスタートしている。

”nl”はネザーランド=オランダ、”minato”は港区を中心とした港エリアを指すこのプロジェクトでは、SHIBAURA HOUSEとオランダ王国大使館、さらに地域の様々な団体が協働しながら、市民参加型の学びの場をつくってきた。

プロジェクトのテーマは「LGBT」「ジェンダー」「メディア」の3つ。今回、「メディア」をテーマにしたプログラムで、ジャーナリズムから参加型のライブパフォーマンスを促し、人々の中に議論を起こすような活動を行っているオランダのユニークなメディアがゲストに登場する。

オランダから女性5人組のジャーナリスト集団

11月25日、オランダから女性5人組のジャーナリスト集団「Bureau Boven」のメンバーと、彼らが関わる「IRON CURTAIN PROJECT」のディレクターが招聘され、イベントが開催される。

Bureau Bovenは、メンバー各々が個人のプロジェクトを抱えながらも、プロジェクトによって協働するスタイルで活動している集団だ。時にはテレビやラジオに積極的に出演し、大手の出版社と組んでプロジェクトを行う等、従来のいわゆる”ジャーナリスト”とは異なる活発な活動の仕方が特徴となっている。

彼らも関わるIRON CURTAIN PROJECTは、オンラインストーリーと展示、ワークショップ、フィルム/オーディオナイト、などのオフラインイベントを開催しているマルチメディアプロジェクトだ。ベルリンの壁が崩れ落ちてから、鉄のカーテンの向こう側にいた人々は現在どのような状況にあるのか。過去のストーリーを発掘しながら言葉を紡ぎ、世界中の人と共有してきた。

「ジャーナリズムが語るもの、引き出すもの」概要

ストーリーを発掘し、どう伝えるのか。分断している人々をどうつなぎ直していくのか。いかに読者とコラボレーションしながら活動していくのか。メディアにはこれまでとは異なる課題が山積みだ。

Bureau Bovenは、社会運動にまつわるストーリーを取材の主軸としながら、読者に対してもアクションを促し、人々の中で議論を起こしているという。普段個々の中に埋もれている感情や主張を引き出すようなアプローチを積極的に行っており、情報の提示のみに留まらないメディアの在り方を発見している。

イベントの中では、ジャーナリストが全員女性という形態や、ジェンダーや社会的マイノリティとメディアとの関わりについても考察していくそうだ。

日時:11月25日(土)13:30-16:00 (13:00開場)
会場:SHIBAURA HOUSE 5F
定員:60名 (予約制)
参加費:無料
使用言語:日本語、英語(日本語逐次通訳あり)
URL:http://www.shibaurahouse.jp/event/detail/230

Pop-up Museum I’m So Angry(I Made a Sign)ー革命と抗議について

イベントの前後では、展覧会も開催される。同展覧会では、現在のヨーロッパを形作る抗議運動に参加した人々の個人的な物語とシンボルを展示し、東ヨーロッパを覆った体制の変換に伴って人々が何を思っていたのかを明らかにしていく。そして、「自分が社会の中でどんな役割を演じているのか」「私たちは今日、何に対して・何のために戦いたいのか」という問いを浮かび上がらせる。

展示の最後に、訪れた人へ「あなたが怒っていることはなんですか?」と尋ね、展示への参加を促す。物語を読んで、ワークショップへ参加し、ビデオブースで示す、あなた個人の抗議のサインはどのようなものになるのだろうか。

日時:11月24日(金)〜29日(水) 11:00-17:00
会場:SHIBAURA HOUSE1Fフリースペース、日曜休館