東京急行電鉄株式会社は、中古ビルを大規模にコンバージョンした、スモールオフィスの賃貸事業を開始する。第1号物件として、スモールオフィスやサービスアパートメントなどからなる複合ビル「PORTAL Apartment & Art POINT」が渋谷区桜丘町に11月オープン予定だ。

「PORTAL POINT」は、トランジットグループが企画・運営する発信型のシェアオフィスとして、青山に2012年にオープン。2016年5月には青山がフロアを拡大し、同年9月には有楽町に2号店がオープン。同年12月には麴町にゲストルーム付きオフィスの3号店をオープンしている。今回、渋谷桜ヶ丘にできるスペースは、最近増えてきている居住空間も合わせて提供しているタイプだ。

「PORTAL Apartment & Art POINT」は、築36年の中古マンションを東急電鉄が購入。クリエイターズオフィスを展開するリアルゲイトと連携して改修を進める。同建物内には、家具付きのサービスアパートメントやロビーラウンジ、ミーティングルーム、オープンスペースなどが配置される。

サービスアパートメントのうち2部屋は、ビームスが招聘したアーティストが暮らし、数か月をかけて部屋の壁などに作品を制作。完成後は別の入居者が住む「アーティストインレジデンス」も行われる予定だという。

渋谷を訪れる外国人ビジネスマンや観光客も急増している一方で、中長期で滞在できるサービスアパートメントが不足している。東急電鉄は、駅周辺での大規模再開発だけでなく、街の既存資産を活用し、時代のニーズに応じて手を加えていくことで、新たな働き方や暮らし方を実現する場を提供していくことを目指す。