「女性向け」をうたうメディアはたくさんある。いくつか見てはみたけれど、多くの場合は「愛され」とか「モテ」とかそういう単語がならんでいてゲンナリする。他人にどう見られるかを考え、自らを最適化していく。それはそれで一つの生き方なのだけど、私が見てみたいのは”ありのまま”を曝け出して自由に生きる女性の姿だった。

2018年3月3日、そんな私の願望は叶えられた。日本初の「エンパワーメントメディア」として「BLAST(ブラスト)」が立ち上がった。編集長を務めるのは、SNSコンサルタントや『COMPASS』の編集長を務める石井リナ氏だ。

There is no wrong. There is no right.

BLASTのメインターゲットとなるのは常識や慣習に縛られない、独立した価値観を体現している女性たちだ。Instagram StoriesやYouTubeなどのプラットフォームを軸にコンテンツは配信される。コンテンツのジャンルは、ファッションやライフスタイルといった最新のトレンド情報から、キャリアや生き方などをテーマとしたインタビュー、シリアスな社会問題までさまざまだ。

コンセプトムービーには、モデルの大屋夏南、DJユニットのUNA、MATCHAほか、さまざまな個性を持つ人々が出演。それぞれの自由でポジティブなスタイルと、自然体で軽やかな美しさを描かれている。

日本の「女性」を「エンパワーメント」する必然性

2017年、男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」調査において、日本は世界144カ国中114位だった。これは過去最低だった前年の111位からさらに後退する結果であり、先進国の中では最下位という、なんとも考えさせられる結果となった。こうした背景には性別の枠組みだけでなく、旧来の社会構造や固定観念によって個人のキャリアや選択肢が狭められている現実、そして、そうした問題がフォーカスされること自体が少ないということが挙げられる。

一方、欧米をはじめとする先進国では、#Metooなどのムーブメントが活発化し、「沈黙を破った人たち」が台頭している。社会はより自由で公正な価値観を求めて変化しているのだ。

こうした背景を受け、BLAST編集部では、多様性を認め合える社会の実現は、先進国としての急務だと考えているそう。そのために、BLASTはグローバルな価値観や世界で活躍する人々の考え方を通して、それぞれの自由でポジティブな「生き方」を肯定していくという。

個人・ジャンル・カテゴリーを繋ぐBLASTの思想

(左)大屋夏南 (右)MATCHA・UNA

自由に生きる。オープンに語る。ユーモアを忘れない。
誰もがゴーイングマイウェイに生きるために。
BLASTは、あなたを固定観念から解放し、それぞれの生き方を肯定します。

BLAST公式サイトより引用

社会や他人などの外部的要因に最適化させ、限定される自分から、”ありのまま”の自分がなりたい自分へ。多くの人が自由に生き、互いの生き方を肯定すれば、社会自体が変わっていく。BLASTは、抑圧された日本女性のみならず、日本社会すら変革してくれるだろう。