2018年1月9日、米Oracle本社敷地内に新しい教育施設『Design Tech School(d.tech)』が開校した。同社は本施設の校舎建設等に約45億円もの投資を行っている。
デザイン思考を学ぶ公立高校『d.tech』
d.techはカリフォルニア州の公立高校と同じカリキュラムに沿った学校だ。
同校は、将来のクリエイティブ人材を育成するモデル校で、その中心に位置するのが2階建ての工作・プロトタイピング用スペースと製作ラボ「Design Realization Garage(DRG)」だ。
DRGの1階には、作業台、万力、帯鋸、ミシン、レーザーカッターが用意。2階にはデジタルプロトタイピングのためのコンピューター、3Dプリンター、電子機器などが並ぶ。d.techでは、すべての生徒が自らの独創的な目的のためにDRGを活用できることを目指しているという。
加えて同校では通常の学業に加え、“生徒が好奇心や情熱を注ぐ題材を探究するために、通常の学習課題をいったん休止する期間(インターセッション)”が4回も用意されているという。
生徒は同期間中、非営利団体、企業、その他地域のプロフェッショナルによる指導の下、幅広い題材を探究する。
インターセッションについて、Oracle Education FoundationディレクターのColleen Cassity氏は以下のように述べている。
これはd.techの最も素晴らしい点の1つです。d.techでは地域のコミュニティを学生の教育経験の中に招き入れ、学生はオラクルの従業員からはテクノロジーを、大手金融サービス企業の従業員からは金融リテラシーを、そしてThe BoneyardやBon Appétit Management Co.などからは料理のスキルを学ぶことができます。
インターセッションを通し、同校では学生がウェアラブルテクノロジーやIoTソリューション、3Dデザイン、ゲームなどのプロトタイプを設計、構築、コーディング、テストできるよう支援するという。
なお、Oracleは同校のために、132名ものボランティアが6,400時間以上もの支援を行っているという。校舎の建設には45億円も投資しているそうだ。
Dysonが大学を作るなど、企業が教育の現場に手を広げる例は近年増えてきているが、Oracleにとってこの活動がどのようなシナジーを生むのかは今のところでは明らかではなさそうだ。
とはいえ、こういった教育に力を貸す姿勢は好意的に受け止めることができる。