「誰かの“やりたい”を実現まで導くのが僕の役割」。編集デザインファームの頼れるプロマネ城後建人に迫る

凄まじい量の仕事を完璧にこなす人に出会うと、つい「実は複数人いるのではないか」なんて冗談を言いたくなる。

彼と一緒に働くなかで、何度そう口走りたくなっただろうか。正社員として週5で働きながらも、「inquire」では複数のプロジェクトでディレクションや進行管理を担う。タスクを「こなす」だけではなく、組織全体を成長させるための試行錯誤も欠かさない。見事な仕事ぶりはメンバーの誰もが認めているところだ。

その仕事への徹底的に真摯な姿勢はいつどこで形成されていったのだろうか。少しでも近づく術はないだろうかと思いながら、彼のキャリアの始まりから話を聞いていくことにした。

[プロフィール]

プロジェクトマネージャー。1993年3月生まれ、福岡県久留米市出身。中央大学商学部卒。株式会社U-NOTEで人材系ウェブサービスのプロジェクトマネジメント・開発ディレクションに従事。傍ら個人で「IDENTITY名古屋」「UNLEASH」「soar」など複数メディアのディレクション・マーケティングに携わる。

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プロジェクトマネージャーが“個人”として仕事をする意味



——城後さんは学生時代からスタートアップでプロジェクトマネージャーやディレクターとして働かれていたんですよね。そのきっかけは何だったのでしょうか?

城後 大学1年生の冬に現在はinqurire代表のジュンヤさんと共に「IDENTITY名古屋」の共同代表を務めている碇さんの会社を手伝うようになったのが始まりです。

ちょうどバイトやサークル中心の大学生活に違和感を感じて、都内のいろんなイベントに足を運んでいた時期でした。経営者やIT/ウェブ関連の人たちが集まるミートアップでたまたま碇さんと話す機会があったんです。そこで仕事について語ってらっしゃるのを聞いて内容など含めて面白い人だなと感じて、インターンとして関わることに決めました。

そこから就職活動を始めるまでの1年間ほど、碇さんの経営していた「株式会社Whyteboard」で、イベント運営やユーザー対応など、企画やマーケティングに近い仕事をしていました。  

——なるほど。そこからディレクションやマーケティングの仕事に就かれたのですね。現在の会社は2社目でしたっけ?

城後 そうですね。新卒でモバイルコンテンツ事業会社でアプリ企画やディレクション、UIデザインを担当して、その後メディア事業を行う「U-NOTE」にジョインしました。新卒1年目の秋からは複業として、スマートホームセキュリティ事業を展開する「secual」でも開発ディレクションに携わっていました。

——新卒1年目の秋から複業って珍しいように思うのですが、なぜ複業をしようと考えたのでしょうか?

城後 一つは単純に「刺激」を求めていたことです。新卒で入社した会社は一部上場企業で、リソースも潤沢で人材の層も厚い。その恵まれた環境で仕事をできているのはありがたくもあり、少し物足りなさを感じるようになったんです。

あとは企業名ではなく個人名で認識してもらえるようになりたかったからですね。プロジェクトマネージャーやディレクターの仕事って、ライターやデザイナーと比べて成果物が見えづらい。でも今後は必ず個人の名前で仕事ができた方がいいだろうと思っていたので、大企業よりも小さな組織で働き、個人の成果として示せる仕事を積み重ねようと考えたんです。

成果を生み出すための環境づくりを担う

——すでにプロジェクトマネージャーとして複業をしているなかで、inquireに携わるようになったと。

城後 はい。「IDENTITY名古屋」を立ち上げる直前のタイミングで碇さんから手伝わないかと誘ってもらったんです。立ち上げの時期はマーケティングや組織マネジメント、ディレクションなど何でもやってましたね。

そこからIDENTITY名古屋を通じてジュンヤさんとも話す機会が増え、soarやinquireを手伝うようになりました。「入ります!」と言って入ったというよりも、段階的に関わる領域が広がっていった感じですね。

——それだけ城後さんのスキルに需要があるのだと思います。inquireでは普段どのような仕事をしているのでしょうか?

城後 「AMP」や「UNLEASH」といった自社メディアを運営するための仕組み・組織づくりや、コンテンツをグロースするための施策を主に担当しています。

プロジェクトマネージャーとして果たす大きな役割は二つ。一つは、何か上手くいかない部分があったときに「なにが要因でつまずいていているのか」と「それを防ぐにはどうすればいいのか」を考え、仕組みに落とし込むこと。もう一つは誰かの「やりたい」を実現するために、小さな検証を回して運用できる形に持っていくことです。

inquireにはジュンヤさん含め「やりたいこと」を沢山持っている人が多く、Slackでも頻繁にアイディアが共有されています。そこで「誰がやるのか」が不明確であるゆえに前に進まなくなるのを避けるため、率先して指揮を執るようにしていますね。

——週5日で正社員として勤務しながら、別の会社でもプロジェクトマネージャーとして複数のプロジェクトをきめ細やかにケアしながら牽引する。相当大変だろうな思うのですが、どのように管理されてるのでしょうか?

城後 基本やるべきことはすべてTodoリストに残してます。あと飛んできた仕事はなるべく早く打ち返す。この2つを実行していると、複数のプロジェクトが同時並行で動いていても混乱はしないです。取り組んでいる仕事が行き詰まってきたら別のプロジェクトのタスクに切り替えて気分転換できるので、今のところ大変だと思うこともあまりないですね。

多様な“個”が集うチームで楽して成果を出すために

——これまでいくつもの組織を経験してこられていますが、inquireという組織にどのような特徴があると思いますか?

城後 プロフェッショナルが集まっていると感じます。編集やライティング、マーケティングなど何かしらのスキルを持っていて、皆が自分の仕事に責任と誇りを持っている。フリーランスの集合体だからというのもありますが、他の組織に比べて強い“個”が集っていますね。

最近ではそうした組織の強みを殺さない形で、「会社っぽさ」も出てきたと思います。しっかりマネタイズしようとか、採用や育成を効果的に行うため仕組みを整えようといった動きも機能し始めている。関わるメンバーの数も増えていますし、これから組織のあり方がどのように変容していくのか、僕自身も楽しみです。

——そうした組織の変化を経験して、城後さん自身の中でinquireに関わってから起きた変化はありますか?

一つは良い意味で仕事とプライベートがゆるやかに繋がるようになったことです。週末も仕事をする機会が増えましたが、平日と土日の高低差がない生活スタイルは自分に向いています。あとメンバーとプライベートで出かけたり、その呼びかけを「tsunori」スレ(※)で行う機会も多いので、ますます明確に区切っている感が少なくなっていますね。

(※)メンバーと出かけたい場所やイベントを投稿するinquireのSlackのスレッド

あとはきちんと誰かに任せられるようになったのも大きな変化です。以前はこぼれ落ちているタスクがあると、つい自分で巻き取ってしまうことがありました。でも誰かに委ねないと、自分も別の領域の仕事に挑戦できないし、その仕事を通じて成長できたはずの誰かの機会を奪ってしまうかもしれない。

inquireやIDENTITY、soarでは実際にインターンに任せる経験を沢山積めたので、他の組織で働く際にも誰かに任せるアクションを取れるようになりました。

——「ちゃんと任せる」のは重要なスキルですよね。他にも城後さんが働く上で大切にしていることってありますか?

仕事をする上で基本的な決まりごとを忠実に守るようにしています。締め切りを必ず守る、仕事の担当範囲を事前に明確にしておく。あとは6、7割の完成度でもなるべく速く出してフィードバックをもらうことです。

もう一つは楽をするための仕組みを磨き続ける姿勢。ただ手を抜いて質を下げるわけではなくて、楽して同じ成果が出るよう改善する。そのためには現地点での仕組みが絶対的な解ではないという前提に立ち、「ここもっとこうした方がいいよね」と積極的に発信するようにしています。特にinquireでは編集者やライターのようにプレイヤーとして前線に立って仕事をしている人が多いので、俯瞰した視点を提供できるよう意識してきました。

伝わるべきメッセージを届けるためのグロースを担う

——その俯瞰した視点からのアドバイスにいつも支えられてます…。ではこれからinquireでチャレンジしていきたいことはありますか?

城後 inquireがより大きなインパクトを与えられるように、しっかり事業の収益化にも貢献したいですね。すでに『UNLEASH』をプラットフォームにしたビジネスモデルの議論を進めています。

あとはブランディング領域でも価値を発揮できるようになりたいですね。例えば『sentence』や『cocorone』で一緒に仕事をしている最所あさみさんは、ほとばしる熱意とともに世界観を語り、周囲が協力したくなる空気を作れる人。その優れた旗振り役としての才能にはいつも驚かされます。

そういった領域は苦手なのですが、より規模の大きい仕事をする上では欠かせない能力だと思うので、吸収していきたいです。

——その「より大きなインパクトを与えたい」というモチベーションの源泉はどこにあるのでしょうか?

城後 もともと「これがあれば社会は良くなるはずだ」とか「これできっと人の生活は幸せになる」と信じられるプロジェクトにしか携わらないようにしているので、自然と「スケールさせたい」という気持ちが湧いてきます。inquireのメンバーにもこれに近い考えを共有している人が多いように思います。

——なるほど。確かに自分の仕事の意義を問う人は多いかもしれませんね。これから城後さんがinquireで一緒に働きたい人はどんな人でしょう?

城後 課題解決を導くために本質的な情報の届け方ができているか」という少し高い視座でコンテンツづくりを捉えたい人、ですね。

例えば採用コンテンツを作ったときに、企業側の「言いたいこと」と会社の実情が一致してないゆえに、入社した後にギャップが生まれてしまう事例をよく耳にします。コンテンツそのものを面白くすることはできても、結果的に根本的な課題解決からはむしろ遠ざかっている。このようなズレを少なくするするためには、「どのように情報をデザインするべきなのか」という問いが必要になるのではないでしょうか。inquireではこのような問いに挑むのが好きな人は向いていると思います。

あとは「私はこれしかできないです」と自分のできる業務の幅を狭めてしまわない人の方が嬉しいかな。ちゃんと考えたり体験したりした上で選択するならいいのですが、関心を持とうともせず切り捨ててしまうのはもったいないですからね。

「業務の幅を狭めない」

彼の言葉は、編集者やライターの多い組織で柔軟に自身の役割を定義し、唯一無二の価値を発揮する自分自身を形容しているようにも聞こえた。
今後もinquireから生まれる無数の「やりたい」が、彼の手を通して形になっていくはずだ。(文:向晴香)

 

(文:向晴香)

(フォトグラファー:金洋秀)


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